【交通事故後遺症】めまい【それは椎間動脈不全症かもしれません】

鍼灸

寒河江幹です。私は以下のツイートをしました。

交通事故の後遺症として、めまい・耳鳴り・平衡機能障害などがあります。
頭部の打撲により内耳神経・脳幹・小脳などの障害によるものと推測できます。
他に代表的な例として「むち打ち症」があります。
むち打ち症が原因で頭痛・めまい・吐き気と言った後遺症に悩まされている方が多くいます。

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【むち打ち症のタイプ】

ムチウチ

  1. 頸椎捻挫型:頚や肩の痛みやコリ 頭痛
  2. バレー・リュー症候群:自律神経障害による耳鳴り・頭痛・倦怠感・吐き気
  3. 神経根症状型:頸部神経の圧迫による手足や頚のしびれや麻痺・筋力低下・疼痛
  4. 脊髄症状型:脊髄損傷による手足のしびれ・麻痺・知覚異常
  5. 脳髄液減少症:頭痛や頸部痛・倦怠感

このように、交通事故の後遺症は「神経」や「脳」の損傷中心に捉えられています。

何度も整形外科に行ったり接骨院で治療しても改善しないと言いう方
それは「椎間動脈不全症」かもしれません
しかし、現代医学でも見過ごしている視点があります。
それは「血管」です。

神経の損傷だけ見るのではなく血管の損傷も考えてみるのです。

椎骨動脈

上の図のように椎間動脈は頸椎の両側にあり脳に向かって脳底動脈につながっています。
交通事故の強い打撲により何らかの椎間のずれや損傷によりこの椎間動脈が圧迫されたのかもしれません。

簡単に言うと、水を撒くホースがよじれて水がうまく流れないような状態だと思ってください。
その場合、どこかで破裂するるか、ちょろちょろとしか水は出ないですよね。
脳もそういう状態、つまりうまく血液が循環しないで頭に十分な血液が回らない状態(虚血性)になったのでめまいや吐き気・頭痛が起こっている可能性があります。

【症例1】

43歳 元看護師

2年前に交通事故でC4.5 C5.6の椎間の手術したが、吐き気・頭痛・首痛・手のしびれ・集中力欠如が残る。
雨の日には手術痕がうずき、話し方が異常にゆっくりしている。仕事はできない。

所見:背部T5に圧痛 頸椎の異常による
T11に圧痛   血糖の異常

治療:経過
①陰谷・曲泉・上四とく・曲池 於血処置(中封・尺沢) 10分置鍼
②委中・飛陽・崑崙 (*「イ・ヒ・コンといって頸部の外科手術後遺症に有効)10分置鍼
③T5・T11に横V字刺鍼

1回目の治療中患者が「首の付け根から、溶けたバターが背骨に流れていくみたい」との感想。
15回の施術で80%改善

【症例2】

42歳 男性

2年前、交通事故で1週間入院。強度のムチウチと思われる。
以来、頭痛と集中力の欠如。話しかけると10秒ぐらいたってから答えが返ってくる。
「パパ白痴になっちゃった」と息子に言われショックを受ける。最近は鬱気味。

所見:腹診は於血あり。側頭部を打ったらしいが傷はなく、頭部於血もない。

治療:経過

①足指間穴・曲池・扁桃処置(照海・兪府)
②陰谷・曲泉・上四とく・丘墟
③委中・飛陽・崑崙
④T3・T5の横V字刺鍼

治療後「頭がスッキリしてきた」とのこと。
5回目:「頭重・頭痛も楽。鍼をした後は気分がよい」とのこと。
言語障害が残るので百会~瞳子りょうを4分割(言語区)し指鍼。
この言語区への施術を加えると明らかに返答が10秒から5秒、2秒と減ってきた。
13回目には普通になる。
その後医者に行くと医者も驚いている。80%改善

【症例3】

40歳 大学講師

10年前水泳の飛び込みで頭を打つ。10分ぐらい意識不明。
以後、肩こり頭痛に悩ませれる。パソコンの前に1時間と座っていられない。
視力も次第に下降し続けている。

所見:腹証は於血。天枢に圧痛。
T4・T5に圧痛
百会に圧痛とブヨブヨ感。

治療:経過
① 腹部於血に於血処置(左中封・尺沢)
②頭部於血処置 15分の置鍼中「いびきをかいて寝ている」
③天枢の圧痛に攅竹
④陰谷・曲泉・上四とく 10分置鍼
⑤委中・飛陽・崑崙   10分置鍼
⑥TT4・T5 横V字刺鍼
「気持ちいい。温泉に行ったみたい」との感想。

1週間後 パソコンの前に2時間座っても大丈夫。肩コリも半減。
百会・T4・T5の圧痛が消えるまで8回の施術にてほぼ治癒とする。

(*医道の日本669号より引用)

上述の3つの例は、椎骨動脈不全症ととらえることができます。
これらは、ハリ施術によって改善が可能です。