【鍼灸治療】ストレスによる更年期障害の悪化と肩こりの治療ツボ3選
鍼灸養成college講師の寒河江幹です。
更年期障害の一つの症状として「のぼせ」があります。これは体の上部の「のぼせ」が表面に出ていますが、その裏には下半身の「冷え」が伴っています。また、「血の道症」と言われるのは腹部の瘀血と深く関わっています。
私は以下のツイートをしました。
女性の更年期障害の一つに「のぼせ」があります。
カーと熱くなりスーと冷えるので「カースー病」という別称があります。英語ではホットフラッシュと言います。女性ホルモンのエストロゲンが原因です。それにより腎虚証を引き起こし瘀血が発生します。— 寒河江 幹 (@poso1922) November 15, 2020
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【女性を悩ます更年期障害】
更年期は英語でclimactericといいます。「転換期にある」「厄年」などの意味もあります。
更年期障害の症状
- 循環器障害の症状:のぼせ・顔面紅潮・発汗・めまい・動悸・五心煩熱
- 精神神経症状として:イライラ・怒りっぽい・精神疲労・不眠・頭痛・更年期障害・不安感
- 虚労症状として:疲れやすい・腰痛・肩こり
- その他:エストロゲンが減少することによる皮膚のシワ・乳房の萎縮・膣や尿道の粘膜の乾燥による膣炎・膀胱炎・排尿障害・骨粗鬆症
閉経後によく見られる。
現代の治療法
エストロゲンというホルモン剤を使用する。⇒乳癌・性器癌の誘発
【ホットフラッシュとカースー病】
カースー病:細野史郎著「方証吟味」で照会された自律神経失調症・更年期障害などのときに起こる以下の症状のこと
発作的に「カー」と顔面や上半身の熱感が起こり発汗する
数分後には「スー」と冷え込んでくる
カースー病 = ホットフラッシュ
<原因>陰虚と肝陽上亢による
腹部瘀血:下腹部に手術痕のある女性に多い
【女性の一生と更年期障害】
Click👉女性のライフステージでおこりやすい病気
更年期障害は「腎」の機能と大きく関わっている。⇒腎の働きはエストロゲンの分泌カーブと一致している
女性は7の倍数を区切りとして成長する
- 7歳:歯が生え変わり髪も長くなる
- 14歳:天葵(てんあお・腎の精気)が充実し、月経が始まり子供が産めるようになる
- 21歳:親知らずが生えて、体格が頂点に達する
- 28歳:骨格がさらに充実し、毛髪は最も長く豊かになり、身体も盛壮になる
- 35歳:陽明経脈(大腸経・胃経)が衰え、髪が抜け始める
- 42歳:三陽の脈が衰え、白髪が多くなる
- 49歳:天葵(腎の精気)が尽き、子供が作れなくなる。
【のぼせが起こる原因】
更年期障害 👉 腎虚 (腎陰虚 腎陽虚)
腎陰虚:肝陽上亢によりさらにのぼせが強くなる。心陰虚も加速される。
腎陽虚:胃腸が冷えてくる、特に下半身の冷え。冷えのぼせ=上熱下寒
<陰虚の症状>☞復溜と腎兪
陰液が不足するためにおこる、顔ののぼせ・手足が焼ける・口や喉が乾燥する・寝汗・耳鳴り
【更年期障害と瘀血】
圧痛部位:<腹部>大巨・気衝・子宮穴・臍四辺穴
<腰部>腰兪・次髎・会陽・居髎
「男性の病気は腎で、女性の病気は子宮で治せ」
治療穴:百会・内関・神門・心兪・腎兪・復溜・壇中・次髎・三陰交・足三里
「衝脈と任脈が女性の生理と深い関係がある」 三陰交+内関
のぼせの特効穴:居髎 側臥位で施術
刺鍼時に帯脈に響いた時特に効果がある
刺鍼時、足の拇指に響くこともある。