【とっておきのツボ】秘方一本鍼伝書【柳谷素霊】

鍼灸

廃刊になった「秘方一本鍼伝書」を公開します。

柳谷素霊とは

岡部素道、井上恵理、本間祥白、小野文恵、伊藤瑞鳳、宮入隆博の師匠で昭和2年現東洋鍼灸専門学校の前身である素霊鍼灸塾を創設。
「古典に還れ」をスローガンに、本治法をまとめた。
 ちなみに私寒河江幹は、東洋鍼灸専門学校出身で伊藤瑞鳳、宮入隆先生に教わった最後の世代です。
同時に、上池栄先生の初期のセミナーにも参加しています。

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秘方一本鍼伝書 もくじ

  • 1 上歯痛の鍼
  • 2 下歯痛の鍼
  • 3 鼻病一切の鍼
  • 4 耳鳴の鍼
  • 5 耳中疼痛の鍼
  • 6 眼疾一切の鍼
  • 7 喉の病の鍼
  • 8 上肢外側痛の鍼
  • 9 上肢内側痛の鍼
  • 10 下肢後側痛の鍼
  • 11 下肢外側の病の鍼
  • 12 下肢前側の病の鍼
  • 13 急性淋病の一本鍼
  • 14 実証便秘の鍼
  • 15 虚証便秘の鍼
  • 16 四十肩五十肩の鍼
  • 17 肩甲間部のコリの鍼
  • 18 肩甲上部のコリの鍼
  • 19 上実下虚証の鍼
  • 20 五臓六腑の鍼

1 上歯痛の鍼 

上歯痛
取穴法:耳前頬骨弓の上際を指触しつつ前方に指を移動する。
    側頭動脈と頬骨弓との分かれ目より一寸五分前方にずらした陥没部。
刺鍼方向:上方から下方に垂直にして水平刺。
注意点:深度一寸~二寸抜鍼後を揉まず

2 下歯痛の鍼

下歯痛
取穴法:下顎骨隅を指で撫で上げると骨の欠目があり上にゴリゴリした筋肉様のものがある。この下の陥没部を穴とする。
刺鍼方向:鍼先が唇の方向に向く。下顎骨中に刺し通すような心得で刺入する。
深度:1寸~1寸6分
注意点:痛む歯にハリの響きあれば手で合図させる。後は揉まない。

3 鼻病一切の鍼 

鼻の鍼
 蓄膿症 肥厚性鼻炎 鼻カタル 鼻づまり

取穴法:奇穴の印堂穴である。
指頭を鼻柱迄撫でると眉間に入ろうとするとき微かにある凹凸。
刺鍼方法:左右の鼻骨間に沿って下に向けて刺し通す。
注意点:鍼の響きが鼻の中に響けば抜鍼、後は揉まず。出血した場合は揉む。
     目を閉じさせる。頑固なものは数回行ってもよい。
深度:5~6分

4 耳鳴りの鍼

下歯痛
原因:耳が原因の外耳炎・中耳炎・メニエール病・難聴・ 高血圧や脳腫瘍・脳梗塞・ストレス・老化・薬の副作用 
取穴法刺鍼方法深度 2の下歯痛の鍼と同じ
注意点:この穴は2~3度繰り返し刺してもよい。
    陽池穴(三焦経原穴)・中渚穴(三焦経兪木穴)と併用してもよい。

5 耳中疼痛の鍼

完骨穴
原因:中耳炎(風邪による急性・気圧変化による航空性)・ストレスによるメニエール病・耳管開放症・外耳炎・智歯周囲炎・顎関節症   
取穴法完骨穴(少陽胆経)である。然谷穴(少陰腎経栄火穴)と併用可。 耳乳様突起の裏側。
刺鍼方向:コメカミ付近に響くように乳様突起の骨の裏側に沿うように上に向けて刺入する。
注意点:呼気時に徐々に鍼をすすめる(赤風迎源の法)響きがなければやり直す
深度:1寸~1寸3分 

   

6 眼疾一切の鍼

取穴法風池穴(少陽胆経)である。乳様突起の後方の小隆起の先端のゴリゴリしたところの凹凸。
刺鍼方向:上内方に向け三角形の小隆起下を通過させて眼底の方向に至らしむように刺入する。
注意点:鍼は進めては止め、また抜くようにしながら刺入する。響かなければやり直す。または、刺鍼方向を変えてみる。側頭に響いてもよい。
深度:5分~2寸