【鍼灸】咽喉頭異常感症・ヒステリー球ともいわれる梅核気に効くツボ

鍼灸

 鍼灸養成college講師の寒河江幹です。

なにか喉に詰まったような感じを「梅核気」といいます。
耳鼻咽喉科を受診しても「異常はありません」と診断されます。
しかし本人は不安になります。実はストレスや不満を引き金に発症する症状です。

梅核気の治療は東洋医学が得意とする領域です。原因は気滞です。
この異常感を咳で払おうとして「エヘン、エヘン」となります。
東洋医学的発生機序は以下のように説明します。
「思慮過度により脾を傷め脾気が鬱結しこれによって痰を生ずる。痰気が阻害されると咽頭や胸郭の上部が詰まるように感じる」
現代医学では「ヒステリー球」「咽喉異物感症」と表現しています。

本記事の内容

  1. 梅核気の特徴
  2. 鍼灸治療法
  3. 梅核気の治療例

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【梅核気の特徴】

咳払い 梅核気
  • 男性よりも比較的女性に多い
  • くよくよ・小さいことを気にするタイプの女性に多い
  • 心の優しい内向的な性格の女性に多い
  • 我の強いこだわりタイプの男性に多い
  • 自分の主張が通らないと我慢ならないタイプに多い

【鍼灸治療法】

鍼治療

【任脈】

  1. 天突:顎を上げてから下に5mm直刺した後下方に斜刺して捻鍼。その後1mmぐらい残して置鍼
  2. 膻中: 気会穴 下から上に向けて斜刺する
  3. 気海: 臍下1.5寸  緊・数の数を取る

【腎経と肝経】

腎経と肝経は喉をまとっている。
上病下取:照海・太谿

【古典】

  • 臨床経穴学:李世珍 天突・豊隆
  • 鍼灸秘穴:照海
  • 経筋療法:黄敬偉 頸部・上胸部・腹部の硬結部位(筋結)に刺鍼する。

【精神異常に配慮する】

・後頚部の筋肉のコリ
・肩こり
・背部痛

【梅核気の治療例】

咳き込む女性
① 59歳 女性  <表在性梅核気>
主訴:喉の閉塞感と咳払い
治療穴:天突・膻中・太谿・神門(兪土穴・原穴)
② 42歳 女性  <潜在性梅核気>
主訴:不眠・肩こり・いつも腹が立つ
前病歴:神経症・自律神経失調症
脈診:緊・沈 肝腎陽虚 
1回目:四神聡(奇穴)・大衝・神門・太谿・三陰交 および肩こり
2回目:よく眠られるようにはなった。喉のイガイガが残る。
    膻中・期門・足三里・太谿・三陰交
3回目:喉のつまりはなくなった。めまいと吐き気がある。
    同上
4回目:頭痛・吐き気・軟便
    同上の施術にて喉のつまり感はなくなった。