【鍼灸治療】歯周病・歯槽膿漏には女膝へのお灸が効果があるんです!

鍼灸

鍼灸養成college講師の寒河江幹です。

 歯槽膿漏などの歯周病を馬鹿にできません。歯茎の膿などバイキンが入り敗血病を発症することがあるからです。歯槽膿漏には「女膝(じょしつ)」の灸が効果的です。

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歯周病・歯槽膿漏

歯槽膿漏
口腔の病気を大きく分けると虫歯などの歯自身の病気と歯周病に分けられます。
東洋医学的な分類としては歯は骨の一部と捉え「腎」に関係すると考えます。
歯周病は歯茎の異常なので「脾胃」に関係すると捉えます。

【歯周病の原因】

歯周病の原因は高齢化による体力の減退と口腔内の細菌です。
よって、東洋医学では鍼灸と漢方で全身の免疫力を高め、歯の周囲や顎、顔面の血液循環を改善させて治癒機転を亢進してやることができます。
歯周病の歯茎はどす黒く「瘀血」と言えます。

【歯周病の症状】

  • ① 歯肉が発赤膨張する。当初は疼痛を伴わず無症状に経過する。
  • ② 歯茎のポケットからは膿が出るようになり、歯を磨く時出血する。または口臭を伴うようになる。
  • ③ 温かい、または冷たい食べ物がしみるようになり、痛みが生じるようになる。
  • ④ 歯牙(しが)の動揺。さらに進行すると食事時に歯がグラグラと動き、痛みを伴うようになる。

【歯周病の鍼灸治療】

<①.比較的軽症のもの>

歯周病:脾胃の温熱 大腸経(合谷・温溜・曲池)
          胃経(足三里・内庭)
          脾経(公孫)

<②歯がグラグラする重症例>

女膝への施灸  :かかとの正中線上で真後ろ👉CLICK
         肌目横紋部の圧痛のあるところ

「女膝:この灸は実によく効くものであり、さらに歯槽膿漏が進行して顎骨の骨膜炎になったものにも効果がある」15~30壮 2~3週間

女膝および両側:精神病に効果あり・精神安定
女膝は「子宮」を意味するのではないかという説あり

《参考文献》深谷伊三郎著「名家灸選釈義」

【歯周病の鍼灸治療例】

歯の治療

[症例]59歳 男性 敗血症のため入院・歯槽膿漏

高熱・感染源は歯槽膿漏 発熱のため抜歯ができない。
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    女膝への施灸及び自宅施灸
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退院後42日目「あれからずっとお灸を続け痛みも膿も出血も止まった」

[症例]62歳 男性 歯周病・肩こり 発熱・咀嚼痛

歯痛をとるために右上温溜・頬車・翳風に15分置鍼
左右女膝に、10壮ずつ施灸
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2日後来院 「すごく効いた」食事も楽にできるようになった。
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21日後 「調子が良い。歯の痛みはまったくなく飯が美味しい」
    「施灸をした後はよく眠れる」

【結果とまとめ】

 

  • 1:施灸開始とともに患者の自覚症状は急速に改善される。
  • 2:症状が激しい場合、鍼との併用をすることにより急速に歯の痛みとガクガクが改善された
  • 3:精神安定作用と自立失調症にも効果あり

【アフター性口内炎】

[症例]48歳 男性 口内炎・2週間続く唇の痛み

圧痛部に皮膚の上から直刺・15分置鍼👉3日後「一発で治った」

「口腔は全身の鏡」:口の健康を保つことは身体の健康を保つことにもつながる