【鍼灸】意外と知らないはりきゅうで風邪を早く治すのに効くツボ3選
鍼灸養成college講師の寒河江幹です。

関東でははやめのパブロンですが、関西では意外と風邪に鍼が効くというのは常識的に知っておられるようです。鍼灸治療は風邪のごく初期に速効性があります。こじれた風邪の場合、鍼灸治療を加えると症状が和らぎ治療経過が早くなり、時にはびっくりするほど効く場合があります。
本記事の内容
84歳 女性
診断:風邪による急性気管支炎
主訴:激しい空咳と胸痛
咳が激しくそのたびに胸が痛い。たんは全く出ない。嗄声(させい)。37.3℃の発熱。
脈診(数細) 舌は乾燥し赤い。
気管支炎 ☞ 肺の陰虚
圧痛点に灸:壇中・尺沢・膏肓・肺兪 + 大椎・身柱
<現代医学の考え方>
侵入するウィルスの強さと各人の免疫力の差によって経過が決まる。
風邪は鼻や咽頭の粘膜に風邪ウィルスやインフルエンザウィルスが付着してそこから体内に侵入すると考えられている。
<東洋医学の考え方>
- 風邪は背中から侵入すると考えた
- 風府・風池・風門など「風」がつくツボが多い。
- 寒邪:温めてやると気持ちがよくなって治りが早い
- 熱邪:冷やしたり発汗したりして熱を取り去る方法を用いると治っていく
- 湿邪:くしゃみ・鼻水
- 虚症タイプの風邪:体力を補いながら病邪も駆逐していく
【風邪のとき呼吸器系をめぐる経路】

1:太陽膀胱経と督脈
風邪はまず、膀胱経と督脈をおそう。寒気がそうだ風邪のひき始めに起こる肩こりを「ケンジョウ(肩上)風邪」という。
膀胱経:天柱・風門・肺兪・膏肓
2:太陰肺経
治療穴:中府・孔最・尺沢
3:大腸経
治療穴:合谷・曲池
4:腎経
治療穴:兪府・神蔵・復溜・太谿・照海
【風邪のとき呼吸器系から見た奇経】
- 1:任脈と肺経列缺は肺経の経穴でもあり・奇経の主治穴でもある。
- 2:陰蹻脈と腎経照海は腎経の経穴であり、奇経+陰蹻脈の主治穴でもある。
【風邪の鍼灸による治療法】

まず、風邪から細菌感染を伴って肺炎まで悪化したときは、抗生物質が絶対に必要なので、鍼灸治療の適応外である。
あくまでも鍼灸は、神経・体液を通じて生体の内外のバランスを調節し生体の免疫機能を強化することによって風邪などの急性熱性疾患に有効という認識である。
- 鼻水が多いとき
治療穴:大椎・身中・風門または肺兪の圧痛の強い方に15~20壮の灸迎香・晴明・犬童・豊隆に鍼 - 肩背部の凝り感
治療穴:風池・肩井・天柱・膏肓・肺兪・肩中兪・膈兪あたりの圧痛にあるところに鍼 - 咽頭痛があるとき
治療穴:尺沢(肺経)・照海・太谿・兪府(腎経)・曲池・合谷(大腸経)*化膿性扁桃炎の場合は抗生物質の投与が必要 - 咳のひどいとき
治療穴:天突・兪府・尺沢・曲池・列缺・肺兪に置鍼 しつこい咳には膏肓・膻中に施灸 - 頭痛を伴うとき 治療穴:上星・風池・天柱・合谷・列に置鍼
- 軽い熱があるとき
治療穴:大椎・天柱・委中・尺沢・合谷・後谿に置鍼 風池は置鍼しない。インフルエンザのような高熱にも緩慢だが解熱作用はある。
【風邪がこじれて、さっぱりしないとき】
全身療法が必要である
【症例】
主訴:割れるような頭痛と悪寒 38、5℃
列缺・合谷・尺沢・情勢・大椎・肺兪・風池に置鍼。1時間安静。
治療後:頭痛の80%とれる。熱は37.3℃に下がる。
主訴:鼻づまり・咳・何もする気がしない
風邪をひいて17日目。熱は下がったが全身がだるく何もする気がしない。
尺沢・合谷・天突・壇中・上星・風池・肺兪・腎兪に置鍼
翌日、まだ鼻声が残り食欲がない。
上星・迎香・晴明・合谷・尺沢・足三里
主訴:風邪のあと、気分がさっぱりせず憂鬱
風池・肺兪・腎兪・尺沢・百会・足三里 2回で完治
主訴:風邪のあと熱はないのに背中が寒く鼻水が止まらない。
大椎・肩井・身柱に灸 3~4壮
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